海のふた
よしもとばななの海のふたを読んだ。
はじめてのよしもと作品はキッチンだった。
たぶん中学生の頃に読んで、電撃文庫やコバルト文庫、ティーンズハート文庫、ホワイトハート文庫以外でふれた小説だと思う。
内容はうる覚えだけど読後感がよかった。
読みやすかった。
その感触を覚えて、次にN.P(ノース・ポイント)を手に取った。
内容は覚えてないけど、キッチンとは違った。
どこをどのようにとっつけばいいのか。
読み方がわからなかった。
以来、読まずにきたのだけれども数年前デットエンドの思い出を買った。
背表紙を見た時、昔むかしブランチの王様で松田哲夫さんがお薦めしてたのを瞬間思い出した。この本を読んだのは去年。
なんかよかった。しあわせの遠い短編が多く誰かにプレゼントはしないけれども、自分の本棚にずっと置いておきたい一冊になった。
そして今回。
海のふた。
40ページくらい読んで、読み終わるのがもったいない。でも読みたい。ここに潜っていたい。
プールに潜って水面から顔をあげる感覚というのか、本を閉じるとそんな読後感を味わえた。
縁もゆかりもない土地に懐かしさを覚えた。
あとかき氷を食べたくなる。
氷コーヒー、絶対おいしいって。
海のふたは誰かにプレゼントしたい、そして感想を語りあいたい。そんな一冊になった。
追記
夏といえは湯本香樹実の夏の庭もいいよね。